listen to the music
先日、こんなニュースが。
アメリカにおける13年と14年の音楽の視聴方法の比較データ。
ニールセン調べのデータみたいだけど、非常に興味深い結果です。
・オンデマンド型音楽ストリーミング +60.5%
・オンデマンド型動画ストリーミング +49.3%
・デジタル・アルバムダウンロード -9.4%
・デジタル・トラックダウンロード -12.5%
・CDアルバム -14.9%
・アナログレコード +51.8%
ざっくりまとめるとCDが落ちてるのは当然ながら、ダウンロードもダウン。
その代わりにストリーミングとアナログが増加って流れが如実に出てます。
あくまでアメリカのデータではあるけれど、世界的にもこの潮流は同じだろうね。
日本は既得権益を守るべくあらゆる業界が新しいビジネスモデルの導入に反対してるから、ストリーミングなんてほとんど展開されてないし、握手権に代表される付録ビジネスなんかもあって(減少してるとは言え)いまだにCDのセールスが奮闘してるから世界から見たらかなり特殊な環境なんだろうね。
(アジカンのゴッチがレンタル文化も日本にCDが残ってる一因だって言ってたような・・)
そんな自分はどうかと言うと、以前比べて大幅に減ったとは言え、まだまだ日本全体から見ると音楽業界にお金を落としてる方だと思ってます。
最近は基本的にはこんな感じです。
★認知(情報収集)
・ネット、店頭で情報を得ることがほとんど。特にTwitterが多いかな(ナタリーとか、ミュージシャン本人のツイートとか)
・特に気になればオフィシャルへ。知らないミュージシャンの場合はYouTubeに飛んだり。
・以前やり取りをしてた音楽に詳しい友達はみんな結婚や子育てなどで大人になってしてしまったので(笑)、人づての情報はほぼ皆無。
・昔はロッキングオンとかMUSICAとか律儀に毎号雑誌を買ってたけどそれも今は皆無。
・あっ、テレビ買ったからちょっとテレビ経由の情報は増えたかも。
今まで全く触れることがなかったEXILEとかAKBとかいわゆる大衆的なものがドッと流れ込んできた感じ。
★入手(購買)
・好きなミュージシャンは応援の意味も込めてなるべく新譜でCDを購入。
・それ以外の気になってるミュージシャンは基本TSUTAYAでレンタル。
(レンタルされていないものは物によっては購入。もしくは諦める)
・音源は全てPCにインポート。160GBのiPod classicで全曲同期。
・インポートしたらCDは即ラック行き。歌詞カード1回も見ないものばかり。
(よってどれもほぼ新品状態・・)
・友達との貸し借りとかももうないねー。
★鑑賞
・リスニングは主に通勤時の往復2時間。
昔から好きな曲をテーマ別に編集したプレイリストとか、入手したばかりの楽曲をiPodのプレイリスト「最近追加した曲」から聴いたり。
・よって1アーティスト1タイトルをしっかり聴き込む機会は少ない。
・しかも、どちらかと言うとスマホに集中しちゃっててちゃんと聴いてないかも・・。
・大量にレンタルとかしちゃった際にはインポートしたものの埋もれちゃって結局聴かず仕舞いのものも・・。
・休日は家でiTunesからスピーカーに飛ばして。
その際、奥さんの趣味や機嫌(笑)なんかも考慮しつつ、あんまりうるさいものとかアイドルとかは避ける傾向アリ。
こんな感じかな。
こないだの引越しの時に100枚以上処分したけど、まだ1000枚くらいはあるんじゃないかなぁ?
ただ最近はiTunesに入っていても曲名を知らない「あのアルバムの何曲目」みたいな漠然とした感覚すらない曲もたくさん・・。
って、こうやって改めて自分を省みると「音楽通と言いたい(言われたい)故に、常に新しいものに手を出すものの、きちんと消化できず仕舞いの中途半端な音楽フリーク」っていう最悪な人物像が浮かび上がってしまった・・(笑)
(いやいや、サラリーマンは恋愛の曲聴いて「これはおれのこと歌ってる!」なんて浸れるほど暇じゃないのだ!(笑))
雑誌や書籍などの紙ものもそうだけど、「データなんて無機質過ぎて味気ない」とか「やっぱり手に取れるものとして自分の手元に残しておきたい」とか「ジャケットなんかも含めてアーティストの作品」とか色々御託を並べてきたけど、この程度の聴き方ならストリーミングでもいいのかも知れないね・・。
確かにわざわざCD買っておきながらインポートするだけで歌詞カードも読まずにしまっちゃうなら一緒だよなぁ・・。
(とは言えストリーミングはまだ日本に普及する見込みナッシンですが・・)
しっかし、ついこの間まで音楽環境を塗り替える革命だと思ってたダウンロードがこうもあっさり落ち込んで、一気にストリーミングがこれだけ伸びるとは・・。
本当に世の中の変化のスピードはどんどん加速していくんだなぁ・・。(全然ついていけてない・・)
そして人の感覚ってのもその変化に伴い変わっていってるような気もします。
人の変化に合わせて環境やテクノロジーが変化してるのではなく、テクノロジーの変化に合わせて人が変えられるんじゃないか?と思うくらい。
だってねぇ。
「物として持っておきたい」ってところから「データで所有」に変わって、それが今や「データすら所有する必要ない」って変化してるんだもんね。
これってすごい変化だと密かに思ってる。
(人間性にすら影響を与えるようなことかも知れないのでは?)
ただ面白いのはそういった変化が起きてる中、アナログレコードが50%も伸長してるってところ。(あくまでパーセンテージの話だから全体のパイからしたら微々たるもんだろうけど)
レコード → カセット → CD → DL → ストリーミングという流れがありつつ、化石と化していたレコードまで戻るなんてね。
これはどんどん人間性を失っていく時代に対する反抗、反動と言っていいのではないだろうか!
かなり大げさな言い方しましたが、あながち外れてはいないと思うんだよね。
やはり人間ってのは「手触り」とか「ぬくもり」とかそういう有機的なものを無意識的に求める生き物ものなんだっていう一つの現れなのではないかな。
デカくて場所取る、聴くまでの動作が面倒と言うデメリットが実は逆に大きな魅力だったのだと思う人が増えているってのは、これからの社会において何かヒントになりそうな気もするなぁ。
と、ただ音楽業界のことを考えてただけなのに、いつの間にか世界の在り方とか人間とはってところまで思い至ってしまいました。
いずれにせよ、音楽を聴き続けているのはやはり自分の心に潤いを与えてくれるものだからだし、やはりそれを身を削って生み出しているミュージシャンの人たちには敬意を忘れないようにしなくちゃいけないな。
どんな形で音楽を聴くにせよ、きちんとミュージシャンが活動を続けられるような、きちんとお金を得られるような仕組みであることを願います。
(と言いながらAmazonの中古で1円で買ったりしてるおれ・・。すみません・・。)