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横浜在住サラリーマン36歳。娘と猫のミウと音楽の話などを中心に駄文を垂れ流します。

あぁ、いい仕事してるなぁと思った今日のできごと。

長期休暇中のため、今日は六本木の東京ミッドタウンに行ってきました。

やー、平日の六本木、空いてていいわぁ。

 

お目当てはとらやで開催している「とらやパリ35周年祭」でした。

www.toraya-group.co.jp

とらやのパリ店の35周年を記念して店内でパネルが展示されたり、限定のお菓子が販売されたりしてるのです。

 

で、おれの目的はこちら。

 

 

https://instagram.com/p/8ztKIKLi4x/

なんとも気の抜ける虎のキャラ。

名前は寅多ティティです。

かっ、かわいい・・。

癒される・・。

 

今回の企画のために登場したティティ。

デザインは猫村さんでお馴染みほしよりこさんです。

その愛らしい姿に一目会いたくて奥さんと娘を連れて行ってきました。

(普通逆のような気もしますが・・)

 

で、お店に着くなり目を爛々とさせながらティティを中心に店内の写真撮りまくり。

限定のお菓子も買って、大満足で帰宅したのです♪

 

が、よくよく考えると、この企画はすごくよく練られているなぁと感心して。

ちょっと刺激を受けたので久しぶりにブログ書いている次第です。

 

まず、周年イベント(発売◯周年、創立◯周年)は発信元のオナニーになりがちなんだよね。基本、お客さんにとってはそんなことどうでもいいことなんです。

特にパリ店の存在なんて知ってる人は少ないだろうし、まぁ普通ならどうでもいい。

でも今回の企画はそれを利用して、本当にうまく「とらや」ブランドに対する親近感醸成に成功しているなぁと思うのです。

 

まずそもそもパリにお店があったことを今回初めて知ったんだけど、海外(しかもパリ)で日本のブランドとして確かな地位を確立していること(35年も続いたことが何よりもその証拠)を周知することで、逆説的に日本での展開のプレゼンスを上げているよね。(老舗として名前は知ってるけど、世界でも認められてるんだ)

 

そしてその企画の対象として、恐らく常連さんではなく、そこまでとらやに馴染みのない若者(とは言っても学生レベルではなく社会人かな)に照準を合わせ、特に「和」に対して何となくいいイメージを持っている女子(普段着物着るほど突き抜けてないけど、京都好きだし、夏は浴衣着るくらいの人)に向けて、ほしよりこさんという絶妙な人選で企画の顔となるキャラクターを擁立。

(しかも一応「虎」)

 

でもキャラが1人歩きし過ぎて、肝心のブランドに落ちないということがないように、ちゃんとパリと紐づく限定商品をいくつも用意。その付録としてティティの紙袋を用意。

f:id:nono-123:20151015020003j:plain

そして発信基地を(赤坂の本店ではなく)六本木のミッドタウンの支店に設定し、都会の洗練された最先端の情報として発信しつつ、若者の来店を誘導。

情報は東京発信にしつつも、きちんと全国の顧客をフォローすべく、商品自体は全国の主要百貨店の支店で購入できる受け皿を用意。

情報は寅多ティティを広告塔としてSNSで拡散。

でそれに釣られて来店しつつ、商品を食べた人はその味に納得し、とらやのプレゼンスが上がる。(目的達成!)

 

や、実際に今その限定のラムレーズンの羊羹食べながらこれ打ってますが、

うっ、うまいッス・・。

 もとから和菓子好きでとらやとか榮太樓とかうさぎやとかよく利用してるけど、改めておいしいなぁと再確認してます、今。

 

今回は企画の中に寅多ティティという「体験したい」(要は写真取ってSNSにアップすることで自慢したい)というフックがあるのがいいなぁ。

(ここ数年でハロウィンが爆発的に広まったけれど、これだって起源なんてどうでもよくて「コスプレという体験をみんなで共有したい」ってところが原因だもんね。)

今回の企画も「これ的な世界」が好きな人(おれとか・・)にはドンピシャでしょう。

わざわざ六本木行っちゃうくらいだもんね。

で、ちゃんとそれが最終的に「商品がおいしい」→「とらやはいいお店だ」に結実してるのがこの企画が素晴らしいと思うところなのです。

 

個人的には老舗だから頭の固い社歴の長い人たちもいたりするんだろうなぁとか、そういう人たちがティティに対してどう思ってるのかなぁとか、そんな中どうやってこの企画を通したのかなぁなんてことが気になります。

とは言え、デパ地下のスイーツコーナー見ると本当に超激戦でしのぎを削ってるのがビシビシ伝わる、とにかくレベルの高い戦いが日々繰り広げられてて、老舗のブランドもかなり尖った商品出してたり、パッケージも洗練されてたりするので、意外にこういうことに対する理解の土壌はすでに出来上がってるのかなぁなんてことも思ったり。

 

 やー、属性が合致している程度でinstagramでTLの空気や流れをぶち壊すようにダッサイ写真とテキストでガンガン 流してる出会い系の広告やってるクライアントと代理店はマジで今回の企画考えた人たちの爪の垢でも煎じて飲むといいよ、本当に。

 

この企画には関わった人たちが知恵を絞ったことと、とらやのことを愛していることがビシビシ伝わってきます。

うん、見習わねば。

 

ということで。

色々ごちそうさまでした。

 

 

※追記

今回の成功(してるのか分からないけど)の要因のもう一つは寅多ティティが

虎(ネコ科≒もはやネコ)だったことかも。

ネット(特にSNS)とネコの相性は何故かメチャクチャいいし、このキャラが犬だったらここまで拡散されてないと思います。