矢野顕子「飛ばしていくよ」
こないだ、矢野顕子のこのツイートにハッとしました。
なんとなーく忍び寄ってくる寂しさに、自分をゆだねてしまってはいけない。詞のアイディアとか浮かびやすいんだけどね、そういう時は。だけどそこで書いたものは残らないんですよぉ。どういうわけか。しょせん自己憐憫につながるようなもんはだめだな。
— 矢野顕子 Akiko Yano (@Yano_Akiko) 2014, 9月 18
彼女の思想が表れた強い言葉だと思う。
この人、 一見ふんわりとした佇まいと歌の人と思いがちだけど、楽曲をちゃんと聴いたり、喋ってる映像を見ると屈強でタフな人ってすぐに分かる。
伊達に世界でサヴァイヴしてないよなぁ。
彼女のキャリアの中で好きな楽曲はたくさんあるけれど、最近はこの曲がすごいお気に入り。
さっきのツイートのような理念をポップという形にしたのがこの歌なんだなと思います。
矢野顕子 - 飛ばしていくよ【MUSIC VIDEO(Long Ver.)】 - YouTube
待ってなくていいかな 発車してもいいかな
とっくに定刻すぎてるし
気にしなくていいよね 自分のことでいいよね
とっくに夜はむかえにきてるしだれもが大好きな Negativeness
だきしめてるけど
もういいんじゃないの そろそろ
そいつを突きとばして 走り去れこの心だれのもの、わたしだけのものでしょ
守ってあげるよ 全力で
気にしなくていいよね ちょっとくらい血がでても
命の方が大切でしょだれもがほしいよ Positiveness
だきしめてるけど
昨日が追いかけてくるの 見える
さぁもう 飛ばしていくよWhy can’t we be courageous to take flight ?
目の前のものを弾き飛ばすようなアッパーにドライブする音の波に、この歌詞。
特に「だれもが大好きな Negativeness~」ってところが好きなの。
「寂しさ」と「Negativeness」が同義ではないと思うけれど、でもちょっと似てるよね。
そう考えると、まさに冒頭のツイートの通りだよね。
ほんとさ、彼女の言う通りでそういう気分って何か詩的な感覚になると言うか、
ちょっと自分に酔った勢いで高尚な気分になったりするけど、でも実はとても独りよがりなものになりがちなんだよね。
別に自分は大層なもの産み出しているわけではないけれど、その感じは少し理解できる気がします。
こーゆーこと、さらりと言えちゃうの、かっこいいよなぁ。
このジャケットの写真、坂本美雨かと思った。
親子そっくりだね。
(彼女は父親の坂本龍一にも似てると思う)